1.岩手から博多へ
 これまでに空路沖縄へ行ったことはありますが、陸路では広島までキャンピングカーの購入に出向いたのが最西記録でした。九州までとなると車で行くのは一人では時間と経費がかかりすぎます。新幹線又は飛行機を比較して、金額・時間・乗換え手間・接続などを総合的に判断して決めます。一般的には飛行機は便数が少なく、割高なのであまり選びません。でも今回は遠いのと、乗り継ぎ便が1時間で接続したのと、空港から目的地が近かった(地下鉄2駅)ため、飛行機を利用しました。
 帰りは新幹線を利用するので、新花巻の駅に車を置いて、いわて花巻空港までタクシーで移動します。
 昨年(2011)の12月にも名古屋までは飛んだのですが、今回は名古屋で乗り換えて福岡空港へむかいました。機体色はオレンジです。早い時期に予約した場合には座席位置を指定できますので、機体右側の翼より前の席を選びました。これで前回は見えなかった北西方向の眺望を楽しめます。しょっちゅう利用する人とちがって、まだものめずらしいのでキョロキョロ眺めるのも楽しみです。

 地上は曇りでしたが、機長のアナウンスによると高度8800mということで、雲の層は下に見えます。花巻から新潟に向かうとまず鳥海山が少し頭を出しているのが右手に見えます。そのあと新潟上空では雲が切れて河口から海岸線に沿って進みます。内陸へ向かって妙高山から北アルプスの山々を横に見ながら飛びますので壮観です。 山座同定は知識が乏しく、出来ませんでした。ご覧の皆様はわかるでしょうか。

 下の写真をクリックで、飛行中の動画約3分が見られます。
 名古屋小牧から福岡空港まではFDAで一番新しいパープルカラーの機体で飛びます。
 福岡空港から今日の宿の博多駅前までは地下鉄で移動します。東京以外の地下鉄に乗るのも初めてです。他の人の迷惑にならないように気をつけながら写真をパチパチととります。

 宿泊はやはりネットで探すのですが、用務が中州川端のほうでしたので、そのあたりでは手頃(=安価)なところがみつかりませんでしたので、博多駅周辺を探したところ7000円を割って、大浴場付きの宿がみつかりました。駅からもほとんど地下街・通路を通ってたどり着けるところです。部屋の窓からも駅ビルが左写真のように見えます。(上は夜景)
 このあとキャナルシティ博多にも覗きましたが、報告は翌日分に含めます。


2.福岡市内
 市内には2泊しましたが、初日の午後と2日目の午前が、用務や移動を必要としない時間ですので市内を歩き回りました。
 まず博多から中州川端まで地下鉄に乗って地上に出ます。町の中を川が流れていて(正確には流れは確認できなかった)、護岸を見ると干満のあとがありますので、ここが汽水域なのがわかります。同時に標高は周囲のビル地盤でせいぜい数メートルのようです。津波対策のことが思い起こされますが、後で聞いたところではこのあたりは津波がほとんど想定されない地域なのだそうです。
 午後から用務のあるホテルの下見をします。入り口のところに係りの方が立っていて行き先を案内してくれます。内部の用務会場はROの写真にありますが、会場前ホールだけでことのような立派なところで、おのぼりさんとしては少し不安になります。

 気を取り直して、午後まで市内散策をします。どこが見どころかわからないままに、博多キャナルシティという名称が目立っているのでそこへ歩いてゆきます。川沿いに南下すると向こう岸に大きな高さのある山車が見えてきました。博多祇園山笠というらしいのですが、予備知識不足ですみません。
 写真左は川向から見たもの、右は帰りに反対側から見たものです。ビデオの中にも登場しますので、その大きさを確認ください。
 
 キャナルシティの北館に入る連絡道に、都市基盤施設である下水道のPR館がありましたので入ってみました。常設で、上層階には集会施設などもあるようです。こちらは排水ポンプ上の上部空間を利用して作られた建物のようです。高度な集積が必要な大都市では土地の有効利用が図られています。

 キャナルシティは基本的には商業施設のようです。6層程度の立体的な建物の中庭状のところに運河(キャナル)が再現してあります。人工的に流れを作っているようで、自然の流れではありませんが、すばらしいのは噴水ショーが毎時あることです。結構長く居たので3種類の演出(曲と構成が違う)を楽しむことができました。
 上層には映画館やラーメンスタジアムがあります。博多ラーメンが多いのですが、前日にいただいたので、県外出店の富山ブラックをいただきました。映画は「いとしの座敷童子」を上映していましたが、時間が合わず断念しました。

↓ 下の画像クリックでYoutube動画の再生にリンクします。
 午前中に確認したホテルまで歩いて戻りますが、今度は違ったところを通ってみようと、連絡通路からエスカレータに連れてゆかれるままに、進んでゆくとアーケード街がありました。結構古くから営業しているお店が多いようで、また向こう岸から見た山笠を間近で見ることもできました。地図を見てもアーケード街かどうかはわからないので少し得しました。区間はここからここまでです。

 用務のあとに意見交換会がありましたが、福岡市の職員は市長命により一ヶ月間外出時の飲酒禁止ということで、かなりの方がウーロン茶を飲んでいました。聞くと、例外は本人の結婚式で予め上司の許可を得た場合だけだそうです。
 外に出ると19時を回っているのに結構明るく感じました。夏至まで20日以上あり、19:23撮影で右の状態です。これはたぶん私の住む本州最東端に近い所よりも経度が小さいために日没が遅いということのようです。
 無事博多での用務を終えることができました。

3.岡山市内
 博多に2泊のあと、岡山での用務は午後からですので、博多駅を9時に発つ新幹線に乗ります。予約時に指定席の毎週末余席状況を見たところ、満席になることは無いようですので、変更の可能な自由席を前もって購入していました。博多が始発でもあり、余裕でした。
 震災の直後に全通した九州新幹線のターミナルにもなっているので各種の車体がやってきます。特に鉄道ファンではないのですが、ここでもおのぼりさん発揮で写真を撮ります。
 岡山までは2時間弱で、下の写真の のぞみ号に乗りました。
 岡山駅の改札を出ると「第一回岡山市民の日」ということで、東西連絡通路に展示物やスタッフがいて、「山陽新聞」を無料配布していましたので1部いただきました。(左写真が通路)
 一人で入るのは初めてだったのですが、マクドナルドのお店でテリヤキバーガーと、大好きなイチゴシェイクの大きなサイズをいただきます。注文システムとか良くわからないので、初めてだと緊張します。一人用の席には充電用コンセントが付いていたりして、初めはすいていたので新聞など読んでいたのですが、席が埋まってきたので、次のところへ向かいます。
 岡山の有名なものといえば、桃太郎ときびだんごということで、駅前の噴水と並んで桃太郎の像があります。
 駅前の地下街は縦横に広がっていて、路面電車の乗り場などともつながっています。その一画に「ももたろう観光センター」がありましたので入ってみました。自由に休めるテーブルと椅子があって、自販機で飲み物を買って、桃太郎伝説のルーツのお話などを流している映像を見せていただきました。

 こちらの解説では「鬼」は製鉄技術を伝承してくれた百済の人のようです。歴史の伝承には良くあることですが、「征服者が正義、敗者は悪」という視点で作り上げられた史観のお話のひとつが桃太郎であるとの解釈をさせていただきました。
 他に関連図書等もたくさんありまして、ももたろうの絵本数冊を読み比べましたが、他の民話と同様に、細部に違いがあるようです。たとえば、ご飯を2杯食べた場合に、2杯分大きくなるのか、10倍力がつくのかなどという部分が、訳者によって変わっているようです。
 この日は午後からサン・ピーチOKAYAMAで講演をさせていただいたあと、受け入れていただいた皆さんの好意で食事会にもあずかりました。魚介類の中ではそれまで食べたことが無かったのですが「ままかり」という小さなお魚がおいしくいただけました。私の三陸地方では見かけませんので、瀬戸内の名産なのでしょうか。翌日お土産に買って帰りました。
 「ままかり」の名称は、飯(まんま)を借りる、おいしくて食が進むので、となりの家からご飯を借りたくなるほど…ということだそうです。
 翌朝は日本三名園の一つ、後楽園を目指します。歩いてもたいした距離ではありませんので、スーツケースのバッグから両肩紐を出して背負って歩いてゆきます。
 なんとなく歩き回って偶然良いところに当たると、トクした気持ちになります。昨夜も食事会場から宿へ戻る際にアーケードのある繁華街を見つけました。
 左写真の川沿いの公園も赴きがあります。
 下水道のマンホールにはその土地の名物が描かれて居る例が多いのですが、こちらはやっぱりももたろうです。
 いよいよ橋を渡って後楽園に入ります。



 言葉よりも写真とビデオで園内をご覧ください。下の大きな写真をクリックするとYouTubeの動画をご覧いただけます。(管理者による閲覧制限のかかった方はご自宅等でご覧ください)
 後半にはこのあと記載の岡山城も収録してあります。


   クリックで動画にリンクします
 後楽園の園内を流れる水は、循環ではないようです。庭園によっては下流にポンプを設置して戻す例もあるようですが、それだと豊富できれいな生物相が維持できません。 手入れをしている方に聞いたところ、やはり伏流水を汲み上げて流しているということでした。 

 さて、後楽園と川を挟んで建っている岡山城に向かいます。前夜のレクチャーで後楽園は岡山県の管理で、岡山城は岡山市の管理で、後者には余り入場者が無いということでしたので、出来たら入ってみようと思っていました。しかし開場(城)時刻が9時から(後楽園は7時)となっていて、列車に間に合わないので割愛しました。でも天守閣以外の城壁城門等を十分にみさせていただきました。 特に城壁にある銃眼や各門は本物を見たのはたぶん初めてなのでよかったです。

 再び駅へ歩いて戻ります。この通りには路面電車が走っています。まず田舎にはそのような乗り物が無かったことと、公共交通機関としてのシェアがあまり高くないことから、これまでに実物を見たのは函館市内だけのような気がします。
 右写真中央がレールの向こうへ走ってゆく路面電車です。モダンなスタイルのものと、クラシックなものが混じって走っています。

 函館では私(たち)も路上を車で走っていましたので乗車できませんでしたが、今回は歩いています。これはもう乗ってみないわけには行きません。
 ところがどうやって乗るのか良くわかりません。停留所(駅?)は中央分離帯のようなところにありますので、出入りは横断歩道などの信号との兼ね合いを見て渡ることになりそうです。料金システムと支払いのタイミングもわからないので、近くの商店のおじさんに聞きました。
 そのおじさんの話によると料金は100円らしい。でも全区間100円なのか、ここから駅まで2区間で短いから100円なのか、整理券は取る必要があるのかまでは良くわからないようでした。まあ、乗ってわからなければ聞いてみようということで、初の路面電車乗車に挑戦しました。
 やってきた電車を見て驚きました。運転手さんは若いきれいなおねえさんです。1両だけでなく、その次に来た電車もそうでした。
 ↓2段下のリンクからYouTubeの路面電車(27秒)がご覧いただけます。
 岡山駅でお土産のお菓子と、昼食のお弁当を購入して帰途につきました。弁当にはままかりも入っています。東京駅で東北新幹線やまびこにのりかえて新花巻までで今回の講演に伴う充実した旅を完了することが出来ました。お世話になりました皆様、どうもありがとうございました。
下に続く 後楽園の3D画像もご覧ください
「博多と岡山への出張」                  2012.05.30-6.02
 この欄では主に自然の中や観光目的の外出の紀行が主体なのですが、今回は用事がありまして遠くまで出かけましたのでその経過をおしらせします。
そしてしばらくぶりの掲載になりますが、園内を3D画像でもご覧ください。3Dの見方や他の例についてはこちらにあります。
見方の要点は・・・
 @ まず左右の写真に写っている共通の目標物を決めます。
  A 次に右の写真を右の目で、左の写真を左の目でボーッと遠くを眺めるように見ながら、
   頭の中で左右の目標物を引き寄せて重なるように努力します。
  B 引き寄せる際に上下のずれは、頭を左右に傾けることによって調整します。
  C 左右が重なったら少しそのまま待った後、今までの目標物の他の部分にも視線を移してみます。
   すると細かい部分の前後関係も浮き上がって見えます。

   うまく行かない人は、眉間と写真境目の間にシタシキのようなものを当てて、左右の視界を分離してから同様に試してみてください。